苦しいときこそ、真摯に向き合う姿勢が必要
請負プロジェクト開発のマネージャーという仕事をしていると、
往々にして納期、コストといった面で顧客と社内の狭間で
葛藤する状況に陥ることがある。
そういったときに大切なのは「バランス感覚」だと思う。
顧客に寄り添いすぎてもだめだし、自社の事情を押し付けてばかりでもだめ。
バランスを欠くと、視野狭窄となり、無茶なスケジュールや、
品質を担保することが難しい進め方(五月雨リリース、段階リリースなど)
といった案を考えがちだが、要件定義を経て開発ボリュームが
増えた場合などは、まずしっかり、
・何が増えたのか
・それは当初要件から追加なのか?深さ(難易度)が増えたのか?
・それは、現行ある運用なのか?新規追加なのか?
といった点を要件ごとに分析し、増えた要因を整理する必要がある。
その上で、顧客のプロジェクトの目的から、
要件の優先度を大胆に整理、提案する必要がある。
そう、開発ベンダーのマネージャーという立場であれば、
プロジェクトが立ち行かなくなる、開発規模が肥大化しすぎて、
品質面のリスクがあるといった、言いにくいことも言う義務があるということを
以下の本を読んで改めて認識した。
なぜ、システム開発は必ずモメるのか? 49のトラブルから学ぶプロジェクト管理術
- 作者: 細川義洋
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2013/09/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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本書は、実際のシステム開発のトラブル事例を元に、
それを避けるために必要なプロジェクトマネジメント上の心構えや
必要な備えについてわかりやすく紹介している。
小説風に記載されており読みやすく、内容もよく頭に入ってくる。
長年開発業務に携わっているとちょっと偏りがちになってくる考え方を
ニュートラルな位置にリセットしたいときなど、折に触れて
読み返したい本である。